アメリカ横断記④~素朴な町ニードルズ、西部劇の町オートマン~

アメリカ横断

古き良きアメリカンな町並み!

ラスベガスを出発!矢島美容室でおなじみネヴァダ州を去り、再びカリフォルニア州へ!

ルート66へ戻り東へと進みます。

ネヴァダ州とカリフォルニア州の境界

たどり着いたのは素朴な田舎町と、西部劇の町並みがそのまま残る山間の集落。

古き良きアメリカに思いを馳せる、ノスタルジックな風景に心が揺さぶられます。

きらびやかなラスベガスから車でおよそ2時間、今回は19世紀までタイムスリップします!

(※この記事は旅をした2019年の情報をもとに作成されています)

スヌーピーの兄の町ニードルズ

タイトルでニードルズを素朴な町と表現しましたが、まぁぶっちゃけここには何もありません。

ニードルズの町並み

ただひとつ特筆すべきことがあるとすれば・・・

スヌーピーの兄、スパイクが住んでいるということ

スパイク

スパイクはここニードルズ付近の砂漠に1人で暮らしており、話し相手はサボテンだそうです。

ルート66沿いの田舎町は壁面におしゃれなアートが多いのが特徴で、これらを見て回りながら町を散策するのも旅の楽しみのひとつでした。

ニードルズにも壁面アートがたくさんあり、そこにはスパイクも多く描かれています。

ニードルズの壁面アート
スパイクが描かれたアート

ところで、兄弟でやってるバンドというと何を思い浮かべるでしょうか?

The Beach BoysAC/DC? それともやっぱりOasis?日本ではフレデリックなんかも有名ですが・・・

今回は兄弟バンドであり、このアメリカンな田舎町にぴったりのロックを奏でるこのバンドをご紹介します。

ロックな楽曲⑯ – Lookin’ Out My Back Door / Creedence Clearwater Revival

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル 通称 CCR

CCRは1968年結成カリフォルニア州サンフランシスコ出身のロックバンドで、ボーカルでフロントマンのジョン・フォガディとギターのトム・フォガディは兄弟です。

西海岸出身でありながら、ブルースやカントリー、R&Bなどアメリカ南部の影響が色濃いそのロックサウンドは、土着的で泥臭く、味わい深いものがあります。

まさにアメリカの田舎サウンドです

アメリカ南部ルイジアナ州あたりには広大な湿地帯や沼(=英語でスワンプ)があり、CCRのこのサウンドが土や泥の匂いを感じさせることから、スワンプ・ロックと呼ばれたりします。

またボーカル、ジョン・フォガディのしゃがれ声も、とても渋くイイ味を出しており、個人的にはロック界で一番かっこいい歌声だと思っています。

西部劇の町オートマン

さてここまではカリフォルニア州でしたが、ニードルズを流れるコロラド川を渡り、ここから先はアリゾナ州です!

引き続きルート66を東へ進みます。

オートマンへの道

ここからは後に整備されたハイウェイ40号から大きく逸れ、ごつごつとした山岳地帯へ入っていきます。ルート66の本来の姿であるその旧道は曲がりくねった上り坂。これを上った先に・・・

見えてきました!オートマン!

オートマンへようこそ

なんだかよさげな看板にワクワクしながら先へすすむと・・・

オートマン
オートマンのお土産屋
軒を連ねる土産屋

まるでそこは西部劇!映画の中の世界!

時は1915年!ここオートマンでとある鉱山夫が金の鉱脈を掘り当てたことで、一攫千金を目当てに多くの人々がここに移住してきました。

ゴールドラッシュの波がここにも!

そうして町は栄えたものの、鉱山の閉山とハイウェイの整備により1960年代には寂れた町となっていたそうです。

しかしオートマン近くの町ラフリンがカジノ街として栄えたことや、近年のルート66への関心の高まりから町は活気を取り戻し、今ではゴールドラッシュ当時の町並みが体験できるとして人気の観光地となっています。

この通りの両脇には風情のあるウエスタンなお土産屋が軒を連ね、そこにはハンドメイドの一点ものもあるためルート66のお土産にもってこいです。

この町では早撃ちガンマンのガンファイトショーも見ることができます。

英語が全然分からなかったのですが、金銭的なもめごとからガンファイトで決着をつけようというストーリーらしく、二人の会話に観光客は大笑いしていました。

もうひとつこの町の名物となっているのが・・・ロバです!

オートマンのロバ

もともとはゴールドラッシュの時代に金を運ぶために飼育されたロバですが、閉山になると当時の人々はロバを残して移住し、そのまま野生化して増え続けたロバが今やこの町の名物となっています。

これらのロバはとても人懐っこく、観光客が来る昼間になると山から下りてきて車やバイクも意に介さず町を練り歩いています。

めっちゃいるロバ

付近のショップでは人参などの野菜が売られており、ロバと触れ合うこともできます。このエサを求めてロバは山から降りてくるそうです。

可愛い・・・

さてここで西部劇に似合う1曲をご紹介。

ちょっとこれまでとは趣向を変えて、極めて個人的にドはまりしている邦ロックを紹介します。

ロックな楽曲⑰ – Funky GUNSLINGER / Kroi

日本の5人組バンド Kroi は2018年結成、メンバーは90年代後半生まれとまだ若手ながら2024年には武道館でのワンマンを成功させるなど、今ノリにノっているバンドです。

R&B や HIPHOP、ロックなどあらゆる音楽を昇華しミックスしたそのファンキーなサウンドに僕はノックアウトされ、数年前からドはまりしているのであります・・・

グルーヴがマジでヤヴァイ

ボーカル内田怜央のキレッキレのラップにテクニカルなバンドメンバーの演奏。そこから生み出されるグルーヴとノリは半端じゃなく、思わず体が動いてしまします。

そんな Kroi の中でもテンポ的にはミディアムなこのナンバーはなんと前代未聞!?

西部劇ファンク

です。ぜひお聞きください。

からっとしつつもエコーで深みを出したギターサウンドが西部劇の世界観を演出しています。

ゴーストノートや休符を多用したはじき過ぎないスラップも、グルーブ感を増すのに一役買っており、遅めのテンポでもしっかりと踊らせてくれるその手腕に脱帽です。

絶景の峠越え!山頂はパワースポット!?

オートマンから東へはさらに山道を登り、ゴールデンバレーの峠を越えなければなりません。

その峠の頂点、標高1082m地点にあるビューポイントがシットグリーブス・パスです。

シットグリーブス・パス カリフォルニア方面
オートマンからここまでの道のり

ここはさほど有名な観光地ではないのですが、ルート66を旅すると必ず通る場所であり、その頂上から見る砂漠の山岳地帯の絶景は息を呑むほど美しく壮大です。

そしてここはなんだか、神秘的な心地よさがあるのです。パワースポットなのでしょうか。

不思議と心穏やかな気持ちです

写真にもあるように、ここには無数の十字架が建てられています。

この下には故人の遺灰や亡くなったペットが埋葬されているようで、付近の岩や墓標には故人へ思いを寄せた愛情溢れるメッセージが刻まれています。

そしてこちらの岩には何やらスピリチュアルな絵とメッセージが描かれています。

シットグリーブスパスのメッセージ

Crush and burn all the Stars Explode Tonight

今夜、すべての星は爆発し、燃えて堕ちる

なんだかこの星ではないような、宇宙からのメッセージのような、幻想的な気分になります・・・

もしかしたらこれは、ジギー・スターダストにより伝えられた、スターマンからのメッセージかもしれません。

ロックな楽曲⑱ – Five Years / David Bowie

1972年発表、デヴィッド・ボウイの5作目のアルバムあり、ロックにおけるコンセプトアルバムの金字塔が

The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders form Mars

です。邦題は「ジギー・スターダスト」。

ジギー・スターダスト

このアルバムの1曲目がこの曲。

「あと5年だ・・・」と繰り返し嘆くように歌われているその意味は、「地球は残り5年で終末を迎える」ということ。

そんな中、「スターマンによって地球は救われる」という神々からのお告げを聴いた主人公が、それを地球人に伝える代弁者となるべく、火星からやってきたロックスター「ジギー・スターダストを演じるというのがこのアルバムの物語。

アルバム全編を通して歌い紡がれる「ジギー・スターダスト」の成功と没落。その壮大かつ詩的なストーリーが、時に激しく情熱的に、時に切なく美しいロックに乗せて語られます。

ジギーは歌います。「スターマンが空で待っている」と。

ロックな楽曲⑲ – Starman / David Bowie

このアルバムが何より革新的だったのは、単なるコンセプトアルバムであるだけでなく、デヴィッド・ボウイ本人がライブで「ジギー・スターダスト」を演じたことでした

グラム・ロックというジャンルについて少し説明します。

きらびやかな衣装とメイク、中世的な顔立ちでロックに「ビジュアルで魅せる」という概念を持ち込んだのが、T-Rex の マーク・ボラン でした。

それまでのビートルズのような、マッシュルームカットのアイドルといったニュアンスとは違い、その妖艶な姿からは色気が感じられ、どこか危ない匂いのする刺激的な立ち振る舞いは、多くの若者を熱狂させました。

元祖ビジュアル系かもね

そうして確立されたグラムロックというジャンルにおいてマーク・ボランと双璧をなすのが、デヴィッド・ボウイでした。

彼はこのアルバムのライブでは、映像のように奇抜な衣装とメイクで火星から来たロックバンド「ジギー・スターダスト&スパイダーズ」として演奏します。

そして1973年、ジギーはロック界を引退し、デヴィッド・ボウイが帰ってくるのです。

このグラム・ロックとしての衝撃的なビジュアルと演出も含めて、「ジギー・スターダスト」というコンセプトアルバムであるという点が、このアルバムの新しさであり、名盤たる所以である思います。

そーでなくてもポップで聞きやすいよ

荒野にポツンとお土産屋

さて、シットグリーブス・パスを超えた反対側ではアリゾナの広大な大地を眺めることができます。

シットグリーブス・パス アリゾナ方面

ここからアリゾナの旅が始まる!絶景だ!わくわくしますがここからの下り坂、わき見運転は禁物です。

オートマンロードと呼ばれています

くねくねとした細い道が数km続きますが、ガードレールはありません。ハンドル操作を誤れば、場所によっては崖下に転落します。

オートマンロードの道のり

それでもこの雄大な自然の中のドライブはとても気持ちよかったです。

のんびり走ってふもとに下りてくると、一軒だけポツンと素敵なお店があります。

それがこちらの Cool Springs Cabins !

クール・スプリングス・キャビン

もともとはアリゾナ州からカリフォルニア州へと峠越えをするドライバー達のためのガソリンスタンドだったらしく、昔は繁盛していたそうですが、今は観光客のためのギフトショップとなっています。

クール・スプリングス・キャビン

この近辺のゴールドバレーで採掘された鉱石を加工したグッズや、ルート66のキーホルダー、Tシャツなど、小さいお店ながらなんでもござれの素敵なお土産屋さんです。

ここで大好きな CCR のオススメをもう1曲!

ロックな楽曲⑳ – Lodi / Creedence Clearwater Revival

広大なアリゾナの景色に雰囲気ピッタリのこの曲。

映像は CCR の公式チャンネルの動画で、残念ながらPVではなくリリックビデオですが、冒頭にクール・スプリングス・キャビンがちらっと登場します!

さて次回は!あのディズニー映画のモデルとなった町を訪ねます!

⇒ 次回、「アメリカ横断記④~キングマンと映画カーズのモデル!セリグマン~」

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