アメリカ横断記プロローグ~ロックなルート66をレンタカーでドライブする~

アメリカ横断

はじめまして。ジョセフ彦です。

いきなりですが・・・アメリカを横断しました!それもレンタカーで!ひとりで!

西のロサンゼルスから東へルート66をひとりでドライブし、終点のシカゴからさらにニューヨークまで。

アメリカンなオールドロックをBGMに爽快に駆け抜ける気持ちのよい旅です。

これから数回に分けて、その旅の記録を記していきます。

このブログのコンセプトは・・・

旅や日常にロックを添えて、感じたことをつらつらと・・・

アメリカ横断の旅では、ロックの進化や伝承に大きく関わったルート66をドライブしました。

その(珍?)道中で立ち寄った田舎町や大都会、何もない荒野、そして人・・・

3週間の旅の中で感じたことを、ロックな楽曲の紹介とともに綴ります。

(※この記事は旅をした2019年の情報をもとに作成されています)

ルート66とは?

まずはレンタカーでアメリカを横断した全ルートをご紹介。

西のロサンゼルスでレンタカーを借り、東のニューヨークで乗り捨て。

レンタカー代が乗り捨て料金含めて18万円かかったことはさておき・・・上の地図でシカゴからロサンゼルスに通ずるのがルート66です。

ルート66はイリノイ州シカゴからカリフォルニア州ロサンゼルスまでを結ぶ全長3800kmに及び、アメリカのマザーロード(母なる道)と呼ばれていました。

ちなみに日本列島は約3000kmです

1960年代のモータリゼーション時代の到来により、アメリカ北部から南西部へと経済や産業、文化が大きく流入し、南西部の発展の原動力となった歴史のある道路です。

そしてこのとき、ロックを含む音楽についても、北部と南西部が互いに交わることで新たな音楽が次々と誕生していきました。

上記の成り立ちからも分かるように、ルート66は北部のシカゴがスタートです。

そう、私は逆走しました笑。それはひとえに、

オールドロックを聴きながら、南西部の果てしない荒野をドライブする。

ルート66
アリゾナ州の荒野

真っ先にこの爽快なドライブを体験したかったからです。

上の写真はアリゾナ州。この何もない荒涼とした大地をノリの良いウエストコーストロックを聴きながら駆け抜ける・・・

たまらんねぇ

ルート66のゴールはシカゴですが、僕はさらに東へとドライブしてニューヨークでアメリカ横断の旅を終えました。

ロックな楽曲① – (Get your kicks on)Route66 / The Rolling Stones

このブログでは時々旅に関連するロックをご紹介します。(ロックに限らないのはご愛敬ということで・・・)

今回はこちら。

If you ever plan to motor west, Travel my way, take the highway that is best. Get your kicks on route sixty-six. 

車で西部に行こうと思っているのなら、僕のお気に入りの道を行けばいい。ハイウェイが最高さ。楽しめるぜルート66は。

Now you go through St. Luis, Joplin, Missouri, And Oklahoma City is mighty pretty. You see Amarillo, Gallup, New Mexico, Flagstaff, Arizona. Don’t forget Winona, Kingman, Barstow, San Bernardino.

さあ、セントルイスを通って、ミズーリのジョプリン、オクラホマシティは活気のある街だよ。アマリロに来て、ニューメキシコのギャラップ、アリゾナのフラッグスタッフ、おっとウィノナとキングストン、バーストー、サンバーナディノも忘れるなよ。

いわずと知れたThe Rolling Stones!

オリジナルは俳優の Bobby Troup という米国人ですが、その後ジャズシンガーの Nat King Cole がヒットさせ、60年70年代になると様々なロックバンドがこの曲をロックなバージョンでカバーしました。

Chuck Berry や Dr.Feelgood なども有名ですがなんといってもストーンズ!

ストーンズの記念すべきファーストアルバムの1曲目を飾る楽曲で、ドストレートなロックンロールが痛快です。

ミックとキースが本格的な自作曲のみでアルバムを制作したのは4作目の Aftermath からであり、このアルバムは大半がカバー曲で構成されています。

しかし初期のストーンズの若々しさや、ロックしてロールするぜ!という熱量が感じられてとてもかっこいい。

以下はギタリストのキース・リチャーズの名言

The biggest cliche in rock’n’roll is there’s no roll. They forgot the roll and they only kept the rock.The roll’s the whole damn thing.

ロールのないロックンロールは陳腐だ。みんなロールは忘れて、ロックだけを残すんだ。ロールは最高なんだよ

ーKeith Richards

正直意味分からんけどなんか熱いね

左に掲載した歌詞にある「Get your kicks on」とは、「楽しめるぜ!」や「楽しもうぜ!」という意味。

この歌詞が元となりルート66にはいたるところにこのフレーズが登場します。壁の落書きや、お土産のキーホルダーなど、ルート66の合言葉となっているようです。

ルート66 落書き
おしゃれな壁の落書き ルート66のいたるところにあります

アメリカ横断の旅では、右に掲載した歌詞に登場する町はすべて通りました。

どれも素敵な田舎町で、アメリカならではの風土に根付いた美しい風景が旅に刺激を与えてくれました。

まさに「Get your kicks on!」です。

このブログでは今後、そんな田舎町を旅に沿って順を追って紹介していきます。ぜひお楽しみに。

ロックな楽曲② – Born to be wild / Steppenwolf

ルート66はバイカー達にとってはツーリングの聖地でもあります。

アメリカをイメージすると、ティアドロップのグラサンに革ジャンのいかついおじさんが、がに股でハーレーダビットソンのチョッパーカスタムにまたがる姿を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。

その通り、まんまです。

旅の道中でも何人ものいかついハーレーおじさん(以下ハレおじと略記)に遭遇しました。

しかし話しかけてみるとみんな見た目に反して優しいおじさんで、何よりアメリカらしくとても陽気です。

アメリカらしいハレおじ
実は陽気なやさおじ

このハレおじのイメージは、1969年公開の映画「イージー・ライダー」による影響が大きいと思われます。

紹介した楽曲は「イージー・ライダー」の主題歌であり、映像は映画本編のシーンがそのまま使用されています。

アメリカンニューシネマの傑作として名高い本作ですが、その内実は結構暗い映画です。

1960年代のアメリカでは、ベトナム戦争の敗北や資本主義を掲げる政府への不信感から、従来の価値観に対抗する形でヒッピー文化が誕生しました。

ヒッピーの価値観はだいたい以下のイメージの通りです。

  • ラブ&ピース
  • 物質や金銭的幸福の拒絶
  • 自然との調和、放浪
  • 自由恋愛、フリーセックス
  • ドラッグ

これらの文化や思想はロックにも大きな影響を与えました。

The Doors や Janis Joplin、Jimi Hendrix などはそのイイ意味で変態的な音楽性が、ドラッグによる幻覚、精神作用を想起させたことから、サイケデリックロックと呼ばれ、等の本人たちもドラッグを使用し、ステージで大暴れ。

そのアンチモラルなパフォーマンスや生き様は多くのヒッピー達の支持を得ました。

このピースマークもラブ&ピースの象徴として有名です

そんなどこまでも自由なヒッピーがルート66を放浪するのが映画「イージー・ライダー」ですが、ラストではヒッピーに嫌悪感を抱く保守派によって銃殺されてしまいます。

なんとも陰鬱なラストが印象的です。

説明が長くなりましたが、この映画の主題歌であり、「ワイルドにいこう!」と男らしく歌ってくれるのが Steppenwolf の Born to be wild です。

バラエティ番組でバイクが出てくるとだいたいこの歌が流れているので、耳にしたことがある人も多いはず。

奥田民生の「さすらい」も多いよなぁ

移動手段はレンタカー

バイクちゃうんかい

そんなツッコミが聞こえてきそうですが、僕はバイクには興味がありません。

飛行機やバスで移動することも考えました。複数人でキャンピングカーで横断するプロジェクトものぞいてみました。

でもすべてやめました。

なぜなら音楽をひとりで浴びたいから

ひとりで好きなときに好きなとこを放浪したいから。

これこそがひとり旅の醍醐味であり、僕にとっての「Get your kicks on!」「Born to be wild!」です。

と気取ってみたものの、何の手違いかナビもついておらず、国産の普通車のはずが外車の小型車が出てきました、、、

予告 アメリカ横断記3「幸先が悪すぎるぞ!の巻」

ロスで借りたレンタカー

宿泊はモーテル、ドミトリー、民泊

モーテル

モーテル(Motel)とは Motorists’ hotel の略で、主にハイウェイや幹線道路沿いに建つ自動車旅行者用の宿泊施設のことをいいます。

国土が広く車での長距離移動が多いアメリカならではのホテルで、料金が安く、部屋の前まで車で乗り付けて利用できるため気軽に宿泊できます。

道路沿いのモーテル 大きく派手なデザインの看板も古き良きアメリカならでは

1926年に連邦最初の国道のひとつとして誕生したルート66ですが、実は周辺にハイウェイが整備されたことにより次々とハイウェイに置き換えられ、1984年には一度全路線が廃止となりました。

しかし、各地で存続させたいという動きが起き、国指定の歴史的街道として「ヒストリックルート66」が復活したのです。

ルート66の旅と言いましたが、厳密には置き換わってしまったハイウェイの部分と、歴史的街道として存続された本来のルート66の両方をドライブします。

そのため国土の広い田舎道と言えど、ハイウェイ沿いにはモーテルやガソリンスタンドがしっかりと整備されており、寝床やガス欠に困ることは意外とありません。

ドミトリー

町で宿泊する際はドミトリーに宿泊しました。

ひとつの部屋にベッドが複数あり、トイレやシャワーは共同で使用します。

ゲストハウスやホステルと名のつくものもあり、その形態は様々で8人部屋もあれば2段ベッドひとつの相部屋もありました。

カラフルで可愛いホステル

メリットとしては相部屋であるため人との出会いがあり楽しく、何よりお手頃価格です。

僕は英語はそこまで上手ではありません。カタコトで頑張れば日常会話が伝わるかなぁといった具合です。

それでも出会った人はみんな優しく接してくれました。

いかついハレおじとツーリングの楽しさを共感しあったり、田舎町からスターを夢見てロスにやってきたラッパーの熱い話を聞いたり、僕が出会ったアメリカ人はみんな人柄がよく、情に熱い人情味溢れる人ばかりでした。

ただやはり相部屋となると犯罪に巻き込まれる可能性も否めないので、そこは自己責任です。

民泊

Airbnbというサービスをご存じでしょうか。

最近では日本でもCMをやっていたりして利用者が増えているみたいです。

Airbnb | バケーションレンタル、ログハウス、ビーチハウスなど
どんな旅行にもぴったりの宿泊先が見つかるAirbnb → 700万件のバケーションレンタル → 200万件のゲストチョイス → 世界中の220を超える国と地域

スマホからアプリで利用すると、現在地周辺で宿泊サービスを提供している施設や民家が表示されます。

もちろんホテルやドミトリーなども表示されますが、あっても宿泊料金が高かったり、ルート66のド田舎で今夜はこの周辺に泊まろう!と決めた場合、付近に宿泊施設が無いこともしばしばあります。

そんなときでも意外と周辺に民泊としてお部屋を提供している民家が見つかったりします。それも安価で!

アプリから直接民泊の提供者にメッセージでアポをとらなければいけないので、英語が読めず少し手間がかかりますが、いろんな意味でおもしろい体験ができると思います。

下は民泊で森の中のテントに宿泊した時の写真。

なんとこの森は蛍が生息していて、夜は目の前いっぱいに幻想的な蛍の光が漂っていました。

とてもロマンチックで僕はなんて素敵な旅をしているんだと感動した覚えがあります。

森の中のテントで民泊

がしかし!この民泊をしたセントルイスはアメリカの犯罪率や殺人発生件数で1位にランクインするほど治安の悪い都市であることを後になって知りました、、、

なんもなくてよかったな

民泊は冒険です。素敵な体験もあれば、危険もいっぱい。自己責任で

旅の目的

正直言うと目的は何も無かったです。

アメリカの荒野をドライブしたい。ルート66の田舎町を訪ねてみたい。大都会も見てみたい。

アメリカ横断というと何かかっこいいけれど、言うなれば長めの観光です。自分探しなどといったおおげさな大義はありません。

それでも自分を突き動かす原動力は確かにありました。それは・・・

単純な好奇心と、なんとなくワイルドで自由に生きたいという漠然とした憧れです。

ルート66を好きで選んだのも、自由の国アメリカの中でさらに自由なイメージがあったからです。

それは60年代のヒッピーのように、また心優しいハレおじのように、感情の赴くままに自由な旅をしたいという想いでした。

出会ったハレおじに「これからアメリカを横断してニューヨークまで行くぜ!」というと、

「Wow ! It’s so crazy !」

と言われました。

なんだか俺こそが自由で!ワイルドな!アウトローだ!と認められたような気がして、いい気分です。

でも小型車じゃ様にならないね

次回以降では旅の詳細を綴ります。いろんな出来事がありました。

まずはロサンゼルスから、アメリカ横断珍道中スタートです!

⇒次回「アメリカ横断記①~ハリウッドドリーム!ロサンゼルス~」

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